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■天保十二年のシェイクスピア 高橋一生さん《インタビュー》

 

天保十二年のシェイクスピアへの思いを語りました

高橋一生インタビュー02
 
佐渡の三世次を演じることになって最初に思ったことなどは?

今までいろいろな方が演じられた役ですが、フラットな状態で向き合えるのではないかと思いました。脚本を忠実に読み、演出して下さる(藤田)俊太郎さんや共演者の方々とどういうふうにお芝居していくかで変わっていくと思うので。

蜷川さん演出の2005年の舞台を拝見していますが、(時が経って)その時の鮮烈さが薄れてきている所がある分、反対に新鮮な気持ちで演じさせていただけるのではないかと思っています。


極悪な役を演じますが、イメージ像などはありますか?

何も考えていないです(笑)。プランニングして固めてしまうと崩す方が大変になってしまうので、フラットな状態から作り上げようと思っています。俊太郎さんや共演者、スタッフの方々と話しながら、まずは脚本に書いていることをしっかりと忠実にやることが大切だと思っています。


高橋一生インタビュー03

ビジュアル撮影はどうでしたか?

俊太郎さんがいいですねと言って下さったので、お任せしました。衣裳は本番とは変わるらしいんですけれど、リチャード三世のような感じになるのかなと思います。三世次は顔にやけどのような跡があり、肉体的に負荷がかかる役でもあるので、どんな感じになるのか…、演じる上でいいスイッチングになるでしょうし面白そうです。


久しぶりの舞台で、かつ観客の前で歌うと思いますが、準備や心がけていることはありますか?

そうだ歌だ!と今思ったくらいなので、まだ準備していません(笑)俳優が舞台で歌うということは、歌いながらどれだけ芝居ができるかということだと思っています。

また、舞台は毎公演同じことを繰り返すので、台詞が自分の居心地のいいリズムに落ち着いてしまわないようにしたいです。久しぶりに舞台と向き合うので、どうなっていくのか、出来る限り面白がってやりたいです。


今回の舞台は井上ひさしの作品になりますが、これまでにそのほかの作品をご覧になったことはありますか?

「組曲虐殺」など、結構観ていますし、戯曲も何本か読んでいます。何十年も前の井上さんの作品を今やることに対して、新しさや古さは感じません。クラシックなものって、いつまでたっても新しい面が沢山あると思います。「天保〜」は結構攻めている作品だと思うんです。戯曲の素晴らしさ、井上さんの本質みたいなものの中に、シェイクスピアが多分に入っている。戯曲としてよく成立させることが出来たなと思います。ある意味シェイクスピアを超えてしまっている作品だといえると思います。


高橋一生インタビュー04

ビジュアルを拝見しましたけど、誰か一瞬わからなくて…

スタッフの方には「分からなくしてください」と頼みました。真ん中にいるのが誰かわからないというのは面白いかなと思って。


演出に関して藤田さんとはプランなどで何かお話はされていますか?

かなり前から色々とお話しています。俊太郎さんはコンセプトを細かく説明して下さるので不安はないです。


共演者の方で気になる方、この方と組んだら面白いだろうなと思う方っていますか。

気になる方ばかりです。浦井さんはもう王子じゃないですか(笑)。胸をお借りしたいです。辻󠄀さん、梅沢さん、木場さんほか、素敵な方たちとご一緒出来ることが楽しみです。


高橋一生インタビュー06

新鮮な気持ちで舞台に臨めそうですね?

3年前に白井晃さん演出の舞台に立たせていただいて、その時にすべてやり尽くした感覚になったんです。脳のシナプスが伸びきってしまうような、刺激が多すぎたお芝居だったんです。毎回体力を消耗して、今までそんなことはなかったんですが、一公演終わるとボーッとしてしまうというか。ただ、この作品はちょうど良いタイミングでお話をいただいたので、やらせていただくことになりました。

休日の過ごし方など、お教えいただけますか?

トレーニングをしているか、本を読んでいるかです。ジムに行く時間がここしばらくなくて、それならばと家でトレーニングが出来る環境を作ってしまいました。


最後に舞台への意気込みをお願いできますか?

僕はいつも特に意気込みはないんです(笑)。お芝居をしっかりとやらせていただきたいと思っています。

写真:岩田えり スタイリング:秋山貴紀 ヘアメイク:佐藤裕子

PROFILE/高橋 一生(たかはしいっせい)
12月9日生まれ。東京都出身。
ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作にドラマ「東京独身男子」、「凪のお暇」、映画「九月の恋と出会うまで」、「引っ越し大名!」、舞台「元禄港歌-千年の恋の森-」(蜷川幸雄演出)、「マーキュリー・ファー」「レディエント・バーミン」(白井晃演出)などがある。主演映画「ロマンスドール」が2020年1月24日公開。

◆天保十二年のシェイクスピア

“シェイクスピア四大悲劇”「ハムレット」「オセロー」「リア王」「マクベス」“世界で愛される永遠のラブストーリー”「ロミオとジュリエット」“異形の王”「リチャード三世」など、発表から約400年にわたり世界中で上演され、現代演劇においても絶大な影響を与え続けるウィリアム・シェイクスピアの全作を横糸に、江戸末期の人気講談「天保水滸伝」を縦糸として織り込んだ一大スペクタクル!!時は江戸末期、天保年間。旅籠を仕切る年老いた侠客と三人の娘たち。親の身代譲りを発端とした縄張りをめぐる骨肉の争いを描きながら、シェイクスピア作品中人気のキャラクターや名場面をふんだんに盛り込むという“井上ひさし”の名作戯曲に、新たな生命が吹き込まれる!

 

本作において一際輝く二人の登場人物。旅籠街の争いを陰から操る己の野望に生きる異形の流れ者“佐渡の三世次”役には実力派俳優“高橋一生”。二つの家の争いに身を投じる若き跡取り息子“きじるしの王次”役には日本ミュージカル界の至宝“浦井健治”。その他ヒロインお光/おさちの二役を務める唯月ふうかをはじめ、辻󠄀萬長、梅沢昌代、木場勝己といった日本演劇界を代表する名優たち、個性あふれる出演陣が集結!!音楽は、演劇をはじめジャンルを超えて幅広く活躍する作曲家・舞台音楽家“宮川彬良”。演出は国内で数々の演劇賞を受賞し、2019年オフ・ウエストエンドにて英国での演出家デビューを果たした“藤田俊太郎”が担う!!!

※辻萬長の「辻」は一点しんにょうが正式表記