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■「喜劇 老後の資金がありません」制作発表記者会見レポート

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喜劇
老後の資金がありません

イントロダクション

渡辺えり・高畑淳子 舞台初共演!! 平凡な主婦に次々と降りかかる“老後の資金”問題!
娘の派手婚、姑への仕送り、舅の葬儀費用、夫が無職に!?
この夏、最も笑って泣けて共感できる喜劇の幕が開く!!

そんな『喜劇 老後の資金がありません』の合同記者会見にて、出演者の渡辺えり、高畑淳子、脚色・演出のマギーらが登壇し、作品にかける意気込みを語りました。

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ストーリー

主婦の後藤篤子(渡辺えり)は、家計に無頓着な夫の章(羽場裕一)、大人しい長女・さやか(多岐川華子)、優秀な長男・勇人(原嘉孝)と4人家族。契約社員として働きながらコツコツと老後の資金を貯めていました。
篤子の楽しみは生花教室。先生の城ケ崎(松本幸大)は皆の憧れの的で、生徒の関根(明星真由美)も彼に夢中です。その教室で一番仲の良い友達・神田サツキ(高畑淳子)とのおしゃべりはストレス解消の大事な時間。サツキは夫・克也(宇梶剛士)と小さなベーカリーを営んでいました。
そんな中、次々と篤子の“老後の資金”が減っていく事態が起こります。長女の派手婚資金、姑・芳子(長谷川稀世)への仕送り資金、義妹の志々子(一色采子)に約束させられた舅の葬式資金、さらには夫の会社が倒産!?
一方サツキは、姑の年金を当てにしていました。しかし認知症の姑は失踪しており、役所訪問の際に、篤子の姑に身代わりになってほしいと頼みます。でもこれって年金詐欺になるのでは!?
篤子とサツキ、ふたりの行く末は? 果たして幸せな老後を過ごすことができるのか!?

私たち、「老後の資金がありません」!!

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制作発表記者会見レポート

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一時期ニュースでも「老後の資金は2,000万円必要だ」と話題になりましたが、リアルな日本の現状についてどう思われますか?

渡辺えり(以下、渡辺) ニュースで出た時も本当は2,000万円じゃなかったって慌てて取り消していましたよね。当時まわりにその額を持っている演劇人がいなくて、飲み会の度にどうするんだって話になったことは覚えています。一般の方はその額を貯金しているから凄いねって話していました。具体的な数字を言ったってことは金融庁が何か調べたに違いないから、それだけの貯蓄があることに驚きました。だけど周りから聞いたら、その額じゃ暮らせないっていう人もいて。2,000万円って聞いた時に私はその額を貯めればいいって思ったんですけど、それじゃ暮らせないって言われたので、じゃあどうしたらいいんだって悩んだ覚えがあります。で、そのあとコロナが来てしまって、それどころじゃなくなった時にこの「喜劇 老後の資金がありません」をやらなきゃいけないんだと思うとプレッシャーを感じましたね(笑)。老後の資金が「ありません」なんですよね。なくても暮らしていけるようなアイデアを考えていく、っていう方向にもっていきたいなと思っています。

高畑淳子(以下、高畑) 自分の貯金額を言わなきゃいけないのかなって思っちゃった(笑)。とても用心深いので貯めこむタイプなんですけど。でもそういうことじゃないと思うんです。例えば1億円あっても悲しいことも起こるじゃないですか。心の持ちようというか、根っこが太くないと、死を迎えるとか老けこんでいくとか、なかなか耐えられないと思うんですよね。だって絶対死ぬって分かっていて生きているじゃないですか、人間って。そんな恐ろしいこと良く出来るなって思うんですけど。一日の暮らし方が毎日違うように、同じお金でも価値が違うというか…、そんなところを味わっていただきたいというか…。お金をもっていてもダメなときはダメですよね。

渡辺 あの、私マンションに住んでいるんですけど、管理費だけでも何万も取られるんですよ。つまり減っていくだけなんですよね。土地とか持っていれば大丈夫だと思っていたの。ところが管理費も毎月取られるならその分働かないとマイナスになっていって、年をとって働けなくなって、介護施設には毎月15万とか支払うんですけど、その毎月15万も持ってなきゃいけない。あとパソコンやスマホもないと。それがもう出ていく。出ていくだけ。で、死ぬまでに何年って逆算していくと、恐怖に近いものを感じますね。そういうのを考えずに演劇を観たい気になります(笑)。芝居に逃げたいですっていう気がしちゃいます(笑)。

お2人にとって老後はいつからですか?幸せな老後とはなんだと思いますか?

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渡辺 もう私には幸せな老後はないだろうと思っています(笑)。NHKのアーカイブで観たんですけど、中国の100歳の村とかで孫100人集めて飲み会している、みたいな。130歳の方が紹介されていて、お正月にお孫さんとか全員が集まると何百人とかになって、みんなで130歳の方を囲んでご飯を食べて笑っているんです。深夜それを観て、幸せそうだなって思ったんですよ。私にはないなって思って(笑)。家族が集まって皆でご飯を作って食べて、自分はずっと働いてきたからもう何もしなくてよくて…、そういうことが老後の幸せなんじゃないかと思うんです。怖いのは、演劇おばさんとかいうあだ名になってて小劇場の客席で死んでるみたいな(笑)。毎日芝居を観ていて、だからお金もなくて、最後の3,000円で観に行って客席で死んでるって言われちゃうんじゃないかって(笑)。まあ、自分のやりたいことをやって死んでいきたいんだけど。 断捨離が苦手で思い出のものを取っておくんですけど、介護施設に入ることになったら持っていけなくて、ベッドしかないようなシンプルなところに居なきゃいけなくなることは嫌ですね。寂しいので本とかモノに溢れている所にいたいと思うんです。認知症とかになったら施設を選ぶことも難しくなるから、そういうことを考えると不安になりますね。自分の身の回りを10年くらい前から少しずつ整理しているんです。まだ老後ではないと思っているんですけど、老後っていつからですか?老後ってなんだっけ?退職したら老後?じゃあ森光子さんとかは老後はなく亡くなったってこと?そういう質問受けたら老後って何だろうって思っちゃうね(笑)。自分には老後ってあるのかな?だって、今の自分の書類や原稿など後10年は片づけにかかりそうなんです。今66歳で片づけに76歳までかかる。それは老後?もし今死んだら迷惑かけちゃうよ(笑)。誰もどうやって整理したらいいか分からないよ(笑)。だからまだ死ねないって思うんです。

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高畑 私は老いていると思っていて、お婆さんになったんだなって痛感しています。オンエアとか自分が映ったものを見て、お婆さんになったんだなって、もうちょっと綺麗だと思ってたんだけど(笑)、そうじゃないんだなって。でも、それはいいと思っているんです。なぜかっていうと、この歳になってお芝居に呼んでもらえて稽古場に行ける幸せが自分にくるなんて思わなかったから。30代の頃は綺麗で体力も知力もあって、だけど仕事はまったくなくて、それがなぜか朽ち果てた時に少しずつお仕事をいただけるようになって。お仕事できるようになるって思ってなかったんです。だからものすごく楽しいんです。なので、例えば2年後とかに死んでも悔いはないです。仕事は少なくなっていくだろうし、こんな大きな役をいただけなくなるだろうけど、芝居を観に行った時に、よぼよぼしたトンチンカンなことを言うようなお婆さんがほんの少し出てきただけでも楽しいですよね。そんなお婆さんになって好きな仕事が出来たらいいなって思いますね。ただ迷惑はかけたくないですね。ホームに居るだけでもお金がかかるじゃないですか。あれを子どもたちにやらせたくないって思いますね。

渡辺 それ、お子さんがいるからですよ。私なんか迷惑かけたくてしょうがないというか(笑)。背中掻いてとか言いたいのよ(笑)。そしたら大丈夫?ってやってもらえるでしょ。なんでそう思うかっていうと、母のところにお見舞いにいくと、同じ施設の個室の人が「助けてー」って、ずっと叫んでるの。大丈夫ですかって聞いて、看護師さんにも伝えるんだけど、「いつもそうなの」って言って誰も行ってくれないの。みんな忙しいし、認知症になると叫ぶ癖のある人も出てくる。それが悲しいって思っちゃって。あまりにも気の毒で。自分だったらって思うと…。そういう想像しているだけなんだけど。

今回さまざまな方と共演されますが、縁のある方や印象的な方はいらっしゃいますか?

渡辺 宇梶君とは古い仲ですね。オーディションを受けて貰ったことがあり、歌やダンスは得意か聞いたら得意だっていうから合格にしたのに、実際は出来なかった。騙された!と思いました(笑)。相手役の方が宇梶さんはちょっと…って言いだしたものだから、毎日居残り稽古して、そしたら凄く良くなったんです。時間はかかるけど誠実で真面目に役と向き合う人ですね。彼が主催している公演も観に行ったりして交流が続いていますね。
あと羽場君は奥さんが元劇団員。明星さん、一色さんとは松竹の舞台でご一緒してます。

高畑 明星さんとは金八先生でご一緒していましたね。とても面白い女優さんだなって思います。あと、氣志團のマネジメントをやっていて、不思議な経歴をお持ちですよね。
宇梶さんは、加藤健一さんがリチャード3世をなさった時に、役に合わせるために背の高い人を集めていて、その背の高い人たちの中にひと際キレイと思った人がいたんですけど、それが宇梶さんだったんです。今回は夫婦役なのでとても嬉しいです。あと長谷川稀世さん。とてもキレのある方で今回の役どころもおもしろいので楽しみにしています。

節約生活をする時に、これだけは譲れないというものや、実際にやっている節約術などがあればお教えください。

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渡辺 やっぱり映画・演劇のチケット代は節約できないですね。それが一番出ていくお金です。観劇のお金だけで15万くらいかかっていると思います。観に行かなければ節約できるんだろうけど、節約したくないですね。生活面では節約していると思います。今じゃゴミ袋も有料じゃないですか。だから袋のかわりに新聞紙を使ったりしてます。

高畑 節約を苦しいと思ったことはないです。若い頃は本当に貧乏だったので、今も苦しいとも思わないです。スーパーへ行けば20%オフのものを選んだり、夕方安くなっているものを買ったりしていますよ。お腹も強い方なので古いものを食べることもありますね(笑)。楽屋のお弁当とかも持ち帰って冷凍しておいて後で食べることもあります(笑)。食べ物に関しては我慢強いというか、あのお店のこれが食べたいとかがあまりないんですよ。興味のあるお店はあるんですけど…。今かかっているのが母のホーム代や、家のローンもあって、何にもしなくても大きい額が出ていくんですよね。どうしてですかねー。それが大変といえば大変ですね。たぶんあと10年くらいローンが残ってるのかな…。あと防犯システムを用心深くつけたんですけど全く使わなくて、内容を変えてもらって直談判したらだいぶ金額変わりましたね(笑)。 お洋服なんかも特には…

渡辺 今日のも自分でお作りになったんでしょ?

高畑 そうです。布を買って縫ったんですよ。そういうことが好きなんですよね。

渡辺 劇団育ちの方ですよね。劇団の方って辛抱強いし、ご飯食べなくてもいいし(笑)。

高畑 そんなことないですよ(笑)。一応体に気を付けて栄養考えてますよ(笑)。

渡辺 昔はキャベツ炒めばっかり食べてましたよ(笑)。若い頃はお金なくてね(笑)。
似たような感じで、今コロナでお店も開いてなくて、買う時間もなくて、料理する時間もなくて3日くらい飲まず食わずで泣いたことあります(笑)。食べるお店も開いてないから、夜9時頃とかに帰ると何もないじゃないですか。

高畑 えー?!買いだめとかしないんですか?

渡辺 偶然なくて。で、時間もないの。打ち合わせあるし、打ち合わせと打ち合わせの間に食べる時間もなくて。たまたま電車もなくて、泣きながら帰りましたよ。つい最近(笑)。

稽古場で楽しみにしていることはありますか?

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高畑 初めて今日えりさんとお芝居の話をしたんですけど、話がすごく面白いんです。稽古はもくもくとやるよりも、余計なことを考えたり話したりする方が根っこが太くなると思うタイプなんですね。その無駄なことを考えている時間や、こういう考え方があるんだって気が付いたりとか、そういう時間を持てることが楽しみですね。40年くらい前かな、当時仲良しだった女優さんと「渡辺えりはすごい!」って会う度に話してましたよ。そういう刺激のされ方をする女優さんに会ったのが初めてだったので、考え方の回路が違っていてものすごく楽しかったです。

渡辺 私もいろんな話をしていきながらやっていけるだろうなって思うととても楽しみです。

お互いの印象を一言でおねがいします。

渡辺 一言で語れないっていういい意味の言葉ってないのかな…。高畑さんのお芝居はいくつも観てきましたけど、どれも違っていて、それが魅力的でいいなって思っているんです。何かいい言葉ないですかね(笑)。

高畑 渡辺さん…。「知的なトラクター」って感じですかね(笑)。すごく知的だなって思って、文学少女でものを書く方だなって、作家なんだなって痛感しましたね。でもそれをかき消すくらいの、普通に見せるというか…そんな力を持っていますよね。搭載エンジンがターボだと思います。

渡辺 ボーダーレスの存在感ってどうですか?

高畑 それ誰のことですか?

渡辺 あなたよ。

高畑 あ、私?!

渡辺 境がないというか、ね。

ストーリーの中で特にここは面白いだろうなという所や、どんな考え方で演じようと思っていますか。

渡辺 毎回新鮮にというか、先が分からないようにやりたいですね。今回の役は自分にない部分が多くて、この役はわりと大人の部分があって周りに縛られているところがあるので、そこをちゃんとリアルに演じることが自分にとっても難しい部分でもあり挑戦でもあると思っていますね。共演者の皆さんの演技をみて、そのリアクションで作っていけたらいいなと思います。高畑さんの役のことは憧れていて、自分と好対照な人柄だと思っていて救いになっている存在なんですね。今話をしていても同じように感じているので、それをそのまま役として演じさせていただけたらなと思います。信頼できるなって。同じような苦労もしているようなので、役に立つなって思いました。見どころは、そう思い込んでいた相手が本当は違う面を持っていることを台詞の説明なく演じるところです。一つの人柄だと思っていた人がそうじゃない部分を演じるシーンがあるんですけど、そこが見どころだと思います。あと突然歌ったり踊ったりするシュールなところも見どころだと思います。

高畑 ストーリーとして面白いところは、年金詐欺に引っ掛かりそうなところがあるんですけど、非常に楽しいですね。私とえりさんって似ているところがあると思うんですけど、その2人が同時に食べられるといいますか(笑)。すごく豪華だと思うんですよね。お客さんとして、この俳優さんとあの俳優さん両方がお芝居してくれたらどんなに楽しくなるだろうって思うんですけど、意外となさらないんですよ。役は役として、素の私や素のえりさんがいて、その時間が愛おしいって、2人いることが楽しかったって思って観ていただければ嬉しいなと思います。

ありがとうございました。

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※写真は制作発表記者会見時のものとなります。