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■舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』制作発表レポート/高橋ひとみさん《インタビュー》

ホリプロ_ハリー・ポッター_チラシ(主催3社)_450

TBS & HORIPRO present
舞台
ハリー・ポッター
呪いの子

INTRODUCTIONはじめに

魔法の世界は舞台へ続く。
ハリー・ポッター、19年後のストーリー。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」から19年後のストーリーを舞台化するため、J.K. ローリングを中心に、世界最高峰のクリエイターが集結。
ハリー・ポッターの世界と観客が一体となる、魔法の舞台を実現させた。
世界で数々の演劇賞を受賞した舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が、ついに日本オリジナルキャストで開幕する。

5月中旬に都内で行われた、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の制作発表記者会見では、父親になったハリー・ポッターを演じる藤原竜也、石丸幹二、向井理の3人をはじめ、中別府葵、早霧せいな、エハラマサヒロ、竪山隼太、藤田悠、福山康平、門田宗大、斉藤莉生、榊原郁恵、高橋ひとみといった日本オリジナルキャストのメンバー、そして演出補のコナー・ウィルソンが集結。それぞれ今作への想いや意気込みを語った。

STORYあらすじ

ハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法界を救ってから19年後、かつての暗闇の世を思わせる不穏な事件があいつぎ、人々を不安にさせていた。
魔法省で働くハリー・ポッターはいまや三人の子の父親。
今年ホグワーツ魔法学校に入学する次男のアルバスは、英雄の家に生まれた自分の運命にあらがうように、父親に反抗的な態度を取る。
幼い頃に両親を亡くしたハリーは、父親としてうまくふるまえず、関係を修復できずにいた。

─ 時空を超えて、過去と現在が不気味に交錯する中、新たな暗い影が忍び寄る。
果たしてハリーとアルバスは、暗闇による支配を止めることができるのか。

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REPORT制作発表レポート

ホリプロ_ハリーポッターと呪いの子_会見6

現在行っている日本人キャストでの稽古はどのような感じでしょうか。

コナー・ウィルソン(演出補) 大変すばらしいです。世界中でこの公演に携わってきましたが、毎回この作品について新しいことを学んでいます。この6週間で、一生かけても学べないくらいキャストの皆様とこの作品について多くを学んでいます。舞台に立つまで(稽古期間が)6、7週間かかるんですね。この作品にはたくさんのニュアンス、そしてすごく複雑な構成を含んでいます。約2ヶ月お稽古してきた状態を考えると、お客様に喜んでいただけるものになると感じています。皆様と仕事ができることを誇りに思っています。

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ハリー役の3名に見どころ、意気込みをお願いいたします。

藤原竜也(ハリー・ポッター役) 4月の頭から稽古が始まって1ヶ月少し経ちました。コナーさんはじめ優秀なスタッフに導かれながら、僕ら日本人キャストは必死にしがみつき食らいついたひと月強でした。日本の通常の演劇であれば、そろそろ幕が開く時期ですけど、ありがたくももうひと月時間があります。インターナショナルチームが理想とするハリー・ポッターを完成させるために、精一杯、共に走りながら頑張っていきたいと思っています。昨日、実際僕らも初めて劇場に入ったんですけど、感動を一足先に味わせていただいて、興奮したことを覚えております。さらに次のステップに行くために、今日からまた稽古を頑張りたいと思います。

石丸幹二(ハリー・ポッター役) オーディション前にニューヨークでこの作品を観る機会があったのですが、こんなにお客様が盛り上がるショーがあるんだと思いました。稽古を受けながら、いろんなチームがあって、スタッフのチームの力強さとレベルの高さを感じています。プロの技の競い合いと言いましょうか、彼らの力を借りながら稽古に臨んでいるところです。きっと日本で開幕したら大ブームになるんじゃないかなと思います。この会場に入ってショーが終わるまで、一瞬で魔法の世界に飛び込むようになっていますので、私もそれを表現できるようにしていきたいと思っています。

向井理(ハリー・ポッター役) 稽古場ではまったく想像できなかったことが劇場ではたくさんできますし、稽古期間はいくらあっても足りないぐらい深い演劇になっていると思います。100人ぐらいのチームだと思いますけど、本当に一丸となっていて、コミュニケーションも取れていて、とてもいい状態のチームだなと感じております。ロングラン公演なので長く続けていくうちにもっともっと絆は深まっていくかなと思います。
演劇としては魔法が大きなテーマになりますが、それでも19年後の世界、ハリーやロン、ハーマイオニーも、子供たちがちゃんと生身の人間として劇場に立っていられるように、芝居をしっかり組み立てていかないといけないと思います。そうすることで1人の人間としていろいろ受けとってもらえことがあるんじゃないかと思っています。本当に1回や2回じゃわからない、たくさんの仕掛けと謎と人間関係がたくさんありますので、ぜひ劇場に足を運んで、細かい部分まで観ていただけたらと思います。

今回はキャスト全員がオーディションで選ばれました。出演が決まったときのお気持ちや周りの反応をぜひ教えてください。

藤田悠(アルバス・ポッター役) 正直今めちゃくちゃ緊張しているんですけど…。大学から演劇を始めて学生演劇をやっていたので、もう周りは「えー!」みたいな反応でした。だから、同じように学生で演劇を頑張っている人を後押しできるような存在になれるように、頑張っていきたいと思います。この作品自体、本当にすごく面白いと感じるので、自分も期待に応える以上のものを出していきたいなと思っています。

福山康平(アルバス・ポッター役) 普段のオーディションの結果は電話やメールで教えてもらうことが多いんですけど、今回わざわざ家の前まで来て伝えてくれました。あと家族、友人は本当にガッツポーズして喜んでくれたり、涙を流して喜んでくれたりしました。各地いろいろなところで働いている同級生たちがいるんですけど、わざわざ観に来てくれることになっているので、そういう人たちに応援してもらっていることを改めて感じられた瞬間でした。だから出演できてよかったなと思います。今日は衣装を着ていないですけど、本当に素晴らしい劇場で、衣装も大道具も、素晴らしい環境の中でできるので、いいものをお届けできるように残りの稽古を頑張っていきたいなと思います。

門田宗大(スコーピウス・マルフォイ役) 出演が決まったときはまず母親に電話をしました。「おめでとう」と言ってくれたんですけど、そのあと「これで私があなたに貸したお金を返せるね」と、現実に引き戻されました(笑)。そんな現実を忘れられるぐらい素晴らしい世界観に入り込んでいて、素晴らしい日々を過ごさせていただいています。精一杯頑張ります。

斉藤莉生(スコーピウス・マルフォイ役) オーディションで合格して…。すみません緊張しているんですけど、自分も北海道の大学で演劇をやっていて、同期や先生、地元の稚内にいる友達とかにお祝いしてもらいました。小さい頃からハリー・ポッターを一緒に映画館に観に行くような家族だったので、自分がその世界の一員になれるということをすごく喜んでくれたので、何か恩返しができたのかなって思っています。稽古が始まるまで本当に現実感がなくて、今でもこんな大きな劇場でやらせていただけるということが、ずっと夢を見ているんじゃないかと思うんですけど、本当に皆様が優しくて楽しくて、日々少しでも成長できたらいいなと思いながら一生懸命稽古に取り組んでいます。ぜひ皆様も観に来ていただければと思います。

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劇場にはホグワーツ魔法学校、各寮の旗がかけられていた。

意気込みはもちろん、普通の舞台とは違うなと思うところをぜひ教えてください。

榊原郁恵(マクゴナガル校長役) 一言で言うと『ハリー・ポッターと呪いの子』にかけるスタッフのものすごい愛を感じます。世界でずっとロングランしていて、アジアでは日本が初めてですよね。この作品が好きで、とにかく大勢の方にこの素晴らしさを伝えたい、その一員として皆一緒に頑張りましょう!という愛を感じるんです。昨日初めて劇場に来ましたが、その時も「まずお客様と同じような気持ちで舞台に立ってください」と言われて、一瞬でスタッフさんたちに魔法をかけられました。この感動を、今度は私たちがステージの上で皆様にお伝えしたいと、肌で感じさせていただきました。これまで作りあげてきたスタッフさんたちの愛を、私が受け止めて、それを観客の皆様にお伝えする、そんな舞台だと思います。そこが他の舞台と大きく違います。

高橋ひとみ(マクゴナガル校長役) オーディションから今日に至るまで、毎日が夢のようで、稽古初日から楽しくてワクワクしています。そして、本当にスタッフの皆様には愛していただいていることを実感できて、丁寧に教えていただいて、本当にここに居られる幸せを毎日噛みしめています。昨日もびっくりするような魔法を、稽古では観られなかった本物の魔法をたくさん観せていただいて…。それがまだ沢山あるんだと思うと、本当にワクワクしています。この年でまだこんなにワクワクドキドキさせていただける体験ができて本当に幸せです。命ある限りここにいたいと思わせてくれる素敵な舞台です。インターナショナルチームの優しさ、ユーモア、私たちにとって幸せな時間です。あとはマクゴナガル校長として、皆様の母であり、居てくれるだけでなぜか安心していただけるような存在になれるように頑張っていきたいと思います。

中別府葵(ハーマイオニー・グレンジャー役) 一言でいうとスケールの大きさですね。赤坂ACTシアターをハリー・ポッター専用劇場にまるごと変えてしまうこともそうですし、セットにしても演出にしてもこれまで観たことのないようなものばかりです。無期限のロングランということもそうですし、この作品に携わっている人の数も凄くてですね。それほどスケールの大きな作品を日本でやれるということがなかったと思いますし、今後もなかなか出会えるものではないと思います。日本中の皆様にこの作品を観て欲しいなという思いが強くあります。私も日本の初演にハーマイオニーとしてかかわることが出来て幸せです。

早霧せいな(ハーマイオニー・グレンジャー役) 他と違うな、ここがすごいなと思うところは驚きの数です。稽古始まってから、特に魔法の数々ですけれども、演出も素晴らしいです。その素晴らしい魔法や演出が、何度観てもフレッシュな驚きを与えてくれるんです。この赤坂ACTシアターで、お客様と同じ体験、同じ驚きを体感できることが本当に楽しみです。プレビューの初日に向けて、ブラッシュアップして、その体験を皆様にお届けできるようにしていきたいと思います。

エハラマサヒロ(ロン・ウィーズリー役) 僕が違うなと思うのは、影響力の大きさですね。けっこう舞台にも出させてもらっていますが、ふだん舞台に出ると言うと「出るんですね」くらいなんですが、この作品だけ「おめでとうございます」って言われるんですよ。キャスト発表になったときもLINEやツイッターで連絡がいっぱい来たんです。エゴサーチしていると「ロンがエハラってwwwマジうけるwww」って書かれていて(笑)。最近スタジオでもスベっていたので、うけてよかったなと思います(笑)。影響力の大きさを感じました。…藤原竜也がニヤニヤしているんですよ。藤原竜也さんはね、基本的に稽古場で僕がスベるたびにニヤニヤしているんです(笑)。

竪山隼太(ロン・ウィーズリー役) 皆様おっしゃるんですけど、今回特にモチベーションの高さがすごいですね。本当にここにいる先輩方もそうですし、それこそスイングやアンサンブルもみんなすごいんです。誰かが代わりに入れるように、ずっと昼休みとかも稽古をしているんです。ある子が急に「やってみてください」と言われて、完璧に演じられて、それを稽古場のみんなが拍手するっていう、素敵なカンパニーだなと思っています。

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役を演じてみて感じるそれぞれのキャラクターの印象はいかがでしょうか?

石丸幹二 ハリー・ポッターというと映画でずっと観てきたイメージが強いと思うんです。僕も映画のイメージが強かったのですが、今回の戯曲を読むと、19年もの時が経って、ハリーも大人になっているんですよ。子どもが3人いて、魔法省の企業戦士でバリバリなんです。そうすると、こんな現実的なことが起こるんだなぁというふうに感じております。それは、子どもの思春期なんですね。思春期の子供と向き合えないお父さんなんです。映画の中の世界というより、我々の実生活、実体験と繋がってくる、そんなハリーが描かれています。なので、演じるのはちょっと一筋縄ではいかないと思っております。我々3人がどう演じるのか、楽しみにしていただきたいと思います。

早霧せいな ハーマイオニーは子どもの頃からとても信念があって、正義感が強い女の子だったと思うんですけど、19年後ロンと結婚して2人の子どもができて、何より魔法大臣として、信念も正義感もさらに深く強くなっています。それに責任感もプラスされているんじゃないかなと思っています。でもハーマイオニーだけじゃなくて、今回の舞台に出てくる女性陣の強さといったら!本当に、強い女性ばかりです。でも強さの質が違うというところで、魔法大臣として芯のある、正義感たっぷりの女性を演じていけたらなと思います。

エハラマサヒロ ロン・ウィーズリーはですね、子どもの頃からお調子者でユーモアもセンスもあって、ちょっと天然な部分もあって、みんなの雰囲気をいい意味で緩和させるというようなキャラクターだと思うんですけど、大人になって19年経ってもその根本は全く変わってないんでよすね。子どもを愛し、妻を愛し、家族を愛しながら、みんなを笑わせようと頑張っているような、そして世界中に愛されるキャラクターです。そのままで観ていただけるかなと思うんですけど、やっぱりもう世界的にファンがいるので、僕もそのイメージを壊したらあかんなと思って12キロ痩せたんです!ロンのイメージ的に大きいと駄目なんじゃないかと思ったんですけど、海外のロン役の方、めちゃくちゃデカかったんですよ(笑)。痩せないでよかったと後々知りました。とはいえ、皆様のロン像を崩さずに作りたいなと思います!

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本作品に登場する魔法の中で、自分も実際に使ってみたいなと思う魔法は?

藤原竜也 いろいろありますけど、やっぱりエクスペリアームス(対象の手から武器を飛び出させる呪文)とか。…いろんな使い方があるんですよね?そうですよね?

コナー・ウィルソン お使いになっていますよね?僕に聞かずに、教えてください(笑)。

藤原竜也 いろいろな使い方があって非常に面白いんです。この舞台でも何度か使っていますが、ぜひ注目してください。

実際に劇場に入ってみての感想は?

藤原竜也 稽古場でできなかった、より本番に向けた精度が高い稽古ができています。素晴らしい小屋入りでした。作品のテーマである光を入れるということも含め…、僕らは(コロナ禍という)非常に暗く大変な時代を共有してきましたが、やっぱり日本の演劇にとっても『ハリー・ポッター』という作品が光を入れてくれたらと思いましたね。

向井さんが使ってみたい魔法は?

向井理 現実的に一番使い勝手がいいなと個人的に思っているのは、アロホモラ。扉を開ける魔法ですけど、生活の中で扉っていっぱいあるじゃないですか。朝起きたら扉を開けて、洗面所の扉を開けて、劇場の扉も開ける。1日何回も使うタイミングがあるなと思って、これが一番いろんな方にとっていいなと思って…。

コナー・ウィルソン 2人ともエクスペリアームスとアロホモラを選んだけど、透明になる魔法とか、もうちょっと大きい夢を見た方がいいんじゃないかな(笑)。

(校長役のお2人に)ロングラン公演で長期にむけて準備されていることは?

榊原郁恵 ロングランの経験がないんです。今のところ模索中なんですけれど、とにかくまずは食べる!食べるっていうことが大事ですね。料理の先生みたいな感じですけど(笑)お手軽なのは焼き鳥かな。タンパク質が必要だと思って(笑)。
本当に必死なんですよ!60代でロングランというのはとんでもない挑戦なんです。皆様のパワーがめちゃくちゃすごくて、そのまま何か乗せられてここまでやってきていますけれど、まず自分を見つめ直そう、自分の出来ることをやろうと思っています。このロングランの舞台をとにかく穴を開けることなく、一番いい状態で挑めるように自分を持っていくことが一番のテーマです。そのためにも食べなきゃなと思って(笑)。

高橋ひとみ この間、チキンって言っていたのはそういうことだったんですね(笑)。
私としては毎日の(稽古場で行われている)トレーニングですね。3日目にして体が変わってきました。前は押したらフラフラしていたぐらいなんですけど、大地に足がついている!というぐらい日々変わってきましてね。ロングランに備えて、ウォーミングアップを毎日しております。

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「こんな仕掛けがあるのでぜひここを見てもらいたい」というアピールポイントがありましたら、言える範囲で結構ですので、教えていただけますか。

藤原竜也 コナーさん“仕掛け”ではないですよね?

コナー・ウィルソン はい。全部本物です。

藤原竜也 そこが見どころですね(笑)。

石丸幹二 魔法三昧なのでいろんな魔法があります。すごくテクニカルな魔法から、アナログの魔法まで、どれもが見どころです。僕が一番気に入っているのは、変身魔法ですね。説明はできないんですけどね。ぜひ客席に座って体感して欲しいんですけども、人が変わります。面白いですよー。

向井理 いっぱいありすぎて…、もう本当に数分に1回のペースで魔法なりイリュージョンなりがあるんです。だからすごく難しいんですけど、一つ言えるとしたら劇場全体ですね。劇場全体のイリュージョン。これはある瞬間が訪れたらそうなる、どの席でも確実に体感できるイリュージョンになっているので…怖くもあり、面白くもあり、舞台ならではのことなんですけど。映像には絶対できない、舞台ならではのことで僕は一番印象的だなと思います。

ハリー役の方々も体力づくりで準備していることは?

藤原竜也 ヌーノさんというムーブメントの方(振付補)がいらっしゃるんですね。彼の指導のもと、2チームとかに分かれて30分ほど身体的なトレーニングをほぼ毎日しっかりとやるんですけど、それで僕の1日は終わったというか(笑)。そのあとに「通し稽古をやる」と言われたとき、この人は一体何を考えているんだろうと思いましたね(笑)。日々みんなと頑張っています。

石丸幹二 以前所属していたところが、ロングランをやっている劇団でしたので。ちょっと思い返してみましたが、やはりしっかり食べて、しっかり寝て、健康な体を維持すること、それが乗り切る秘訣だと思っています。年齢はこんなになってきましたけども、より元気になれるようにと思っています。

向井理 皆様おっしゃっている通り朝にやるトレーニングなんですけど、ヨガとかコアを鍛えるトレーニングをやるんですが、それがもう汗だくになるぐらい毎日やるんです。なので、改めて何か自分で何かをやることはなくて、毎日ちゃんとそのトレーニングを必死にやることで、どんどん積み上げられていると思います。あと、アミノ酸を差し入れするようにしていますね。

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今回皆様オーディションを経て配役が決まったということですが。特にハリーの皆様はオーディションを受ける機会が少なくなっていると思います。今回オーディションで「これはいける」と思った瞬間や「落ちたかもしれない」と思った瞬間があったら教えてください。

藤原竜也 長かったですからね。1、2年くらい前にビデオのオーディションから始まってから結果が出るまで長かったので。忘れてはいなかったですけど、どうなったんだろうと思いながら過ごしていました。それから本国からスタッフが来てくれて、対面式のオーディションに変わって…。自分自身、過度な自信もありませんでしたし、コナーさんはじめスタッフに言われたことに食らいついていった感じですね。
受かったときは、また自分の中で新しいことにチャレンジするんだ、今までの演劇人生とはちょっと違う、すごいところに立たせてもらうんだという興奮を覚えています。

石丸幹二 日本国内ですと僕自身がどんな活動をしてきたか大体知っていると思うんです。でも海外の方はほぼ知らないですよね。そういう方たちの前で、どんなふうに自分を見せていこうか悩みました。どんなふうに受け止めてくれてるんだろうかという、反応が気になりました。最終的に受かるまでの期間が…コロナ禍で仕方ないんですが、とても長かったので、ひょっとしたら落ちているのかなという不安な気持ちもありました。

向井理 最初はコロナということもあって映像審査だったんですけど。正直手応えはないですよね、反応がないので。その時は少しモヤモヤした感じもあったんです。そこから対面になって、実際にやってみることになるわけですけど、僕としては楽しもうと思いました。そういう経験も久しぶりで、僕を全く知らない人に見てもらえるというのは新鮮な気持ちでやれました。だから結果はどうであれ、楽しかったという気持ちが強かったです。フィジカルなこともやりましたけど、すごくきつかったんです。でも、それでも何か一緒にやれたこと、受かったかどうかではなくて、とにかく貴重な体験をさせてもらったなという気持ちです。

今回それぞれ個性が異なる俳優3人がハリーを演じます。イメージとしては、俳優それぞれが作品に描かれたハリーに近づいていくのか、それとも出来上がった舞台の世界をそれぞれの俳優に近づいていくのか。どのように考えていますか。

コナー・ウィルソン ハリー・ポッターは世界中で知られている有名なキャラクターですけれども、3人は7冊の本の歴史という題材なんですね。誰かが「ハリー・ポッターとは何か、誰か」と言った時、すごく大きくて答えきれない質問でもあると思うんです。ハリーは、怒っている瞬間、勇敢な場面もあれば、欠けている部分もあって矛盾しているところもある人物です。それがこの作品の美しさでもあるし、様々なニュアンスが出てくるポイントでもあると思います。
竜也さん、幹二さん、理さんはそれぞれ全然違うハリーになってくれていますね。それぞれハリーの違うところをあらわにしてくれていると思っています。違うところに集中してくれている。理さんを褒めることになるんですけど、(アルバス役の)康平さんがアルバスとハリーのシーンについて不安を抱えていて相談していたんです。そしたら、理さんが「シーン自体がモヤモヤしているシーンなんだから、君のモヤモヤを感じているってことは正しいんじゃない?」と言っていたんです。そんな感じで、僕は3人の役者がアルバス役の父になっていく過程を見ているんですね。全然違うハリーになっています。なので、ぜひ3人のハリーを観てほしいですね。

この作品は俳優にとって具体的にはどんなところが大変なんでしょうか?

コナー・ウィルソン 作品としてもマラソンのような作品だと思います。約3時間ノンストップで、続けていろいろなことをしなくてはいけません。皆様ウォームアップについて話していますが、そのウォームアップやトレーニングを通じてこのロングランができるようにやっているんですね。
プリンシパルの皆様には「毎公演終わるたびにヘトヘトに感じていなかったらちゃんと仕事できていないよ」と言っています。すごく大きな課題ですが、チャレンジに果敢に勇敢に取り組んでくれています。

では、最後に一言お願いします!

藤原竜也 まずはプレビューの6月向けて、精一杯稽古をしていきたいと思います。みんなで気を引き締めて頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。

石丸幹二 この舞台はチケットを買った瞬間から始まっています。胸を膨らませて待っていてほしいですし、約3時間はあっという間に終わってしまいますが、存分に楽しんでいただけたらと思います。僕たちも頑張って稽古に励んでいきたいと思います。ご期待ください。

向井理 やはり映像では感じられない、実際の僕らの声や活力、パフォーマンス全てが現実の世界で起きているということを、舞台のストロングポイントを思う存分に感じていただけると思います。本当にすごい瞬間がたくさんありますし、それと同時に、やはり芝居の部分で丁寧な台本になっています。いろいろなところを楽しんでもらえる演劇になっていると思いますので、ぜひその瞬間を目撃してもらえるよう、これから稽古に励んでいきたいと思います。

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INTERVIEW高橋ひとみさん インタビュー

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マクゴナガル校長役 高橋ひとみさん

オーディションだったと伺っています。そもそも、なぜオーディションを受けようと思われたのでしょう。

そうなんです。私もオーディションというものは、17歳の時に寺山修司さんの舞台のオーディションを受けたくらいしか経験がありません(※高橋は寺山修司の舞台『バルトークの青ひげ公の城』でデビュー)。だからドキドキしました(笑)。でも『ハリー・ポッター』は私にとっても特別な作品。あの世界の一員になれるのであれば、ぜひとも受けてみたい。しかもあのマギー・スミスさんが(映画で)演じたマクゴナガル校長という役を演じられる可能性があるのなら、どんなことをしてでも挑戦しなくてはという思いで受けました。

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『ハリー・ポッター』が高橋さんにとって特別な作品だというのは、どういう理由ですか?

私は小説ではなく最初にこの世界に触れたのは映画なのですが、小さい時に見た子たちだけでなく大人になって見た私たちにとってもワクワクする作品です。辛い幼少期を経て、仲間とともに試練を乗り超え成長していくハリーたちの物語が根本にあり、プラス、魔法というワクワクする要素がふんだんに詰め込まれている。それは本当に魅力的です。さらに、同じ俳優さんがシリーズ1作目から同じ役柄を演じ、劇中の人物とともに成長していくという点も好きなんです。私は『ふぞろいの林檎たち』(’83年)でテレビドラマデビューし、これはパート4まで制作され、10代から40歳近くまでを劇中で演じました。だから回想シーンでは自分自身が演じたかつての映像が流れるんです。それをほかの俳優さんにすごく羨ましがられたんですよ。『ハリー・ポッター』も同じですよね。そういうシリーズものの魅力も私の好きなポイントです。

そんな思いで受けられたオーディション、合格の報せはどう受け止めましたか。

それが、なかなか合否の報せがなくて……。日本の芸能界の感覚ですと、わりとすぐ判明するものだと思っていたので、しばらく何も連絡が来ない時点で諦めかけていました(笑)。そうしましたら少し時間がたってから、かなり体力を使う芝居なのでそちらの確認をさせてくれと連絡が来ました。私はそれまでジムに行ったことがなかったのですが、「これはもしかして可能性あるかな」と、そこからジムに通いました(笑)。大型犬を飼っていますので運動はしているのですが、使う筋肉が違いますからね。

「もう一度受けてくれ」と言われたら、「いけるの、どうなの」と期待と不安がすごそうです(笑)。

そうなんですよ……! でも体力面で不安がられてはいけない、そんな理由で落ちたくないと、必死で頑張りました。そういう面でも、ほかの作品とは違うなと感じました。その後、合格してから稽古スタートまでも時間がありましたので、引き続き体力増強に励みました。

マクゴナガル校長でも、そんなに体力を使うのでしょうか……?

それは、彼女自身が動き回るということではなく、『ハリー・ポッターと呪いの子』という作品自体がものすごくスピード感があるんです。その世界を作るためにはやはり、誰ひとり落ちこぼれはいけない。マクゴナガル校長といえども、体力はとても重要です。

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マクゴナガル先生はシリーズ初期から登場するキャラクターですが『呪いの子』では校長になっていますね。本作におけるこのキャラクターの魅力は。

小さい頃からずっと成長を見てきたハリーが大人になり、『呪いの子』では魔法省の局長になっています。いわばお役人。対してこちらは校長です。ある意味自分よりハリーが上の立場になっている。複雑な気持ちもありますが、根っこでは母のような気持ちも抱いている。その揺れ動く関係性も見ていただきたいです。そして彼らの大切な子どもたちを預かる立場でもありますが、その子たちが大変な問題を起こしていきます。しばらく平和だった魔法界に事件が起こり、みんなで戦っていく。その戦いの手助けをする。映画同様、ハリーたちの一番の味方であるマクゴナガル校長はやっぱり魅力的ですね。

先ほど仰ったように、マギー・スミスさんの印象が強いキャラクターかと思います。人気が高い役を演じる上で、心がけていることは。

やはり皆様の抱くイメージを崩さないようにしたいですね。私も「マギー・スミスさんが演じるならどうするだろう」「どうやったら素敵だろう」とイメージしています。姿勢とか、シュっとされていますよね。醸し出す空気が凛としている。そこを目指しています。

物語は魔法界の“大事件”とともに、私たちにとっても身近な家族の問題なども描かれていきます。

そう、それに友情も。魔法もすごいし、音楽や動きも素晴らしくジーンときますが、描かれている内容が本当に切ない。子どもたちの友情に、(同じくマクゴナガル校長役の榊原)郁恵さんは、稽古場から泣いていますよ(笑)。それに彼らの悩みや葛藤も、非常に胸に刺さります。あと忘れてはならないのがお父さん同士の友情。ハリーとドラコの間にあるものも、反発しあっているようで、友情だと思うんです。映画でも、見捨てればいいのに救うじゃないですか。やっぱり憎み切れないものがあるんですよね。子ども同士の友情、お父さん同士の友情、それぞれが素晴らしいので、そこはぜひ見ていただきたいです。

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今お話にあがったハリーの息子アルバスや、ドラコの息子スコーピウスの物語でもあります。大人キャストは高橋さんのような第一線の俳優たちが配役されていますが、子どもたちはニューフェイスの俳優たちで、彼らがどんなフレッシュな魅力を放つのかも楽しみなところ。高橋さんから見ていかがですか?

アルバスもスコーピウスも二人ずつ配役されていますが、それぞれまったく個性が違い、でも仲が良い。ひとりが「ここはこういう風に」と演出を受けていると、もう一方も食い入るように聞いています。スポンジのような吸収力で、そして助け合って高めているような感じ。素直で一生懸命で、彼らを見ているだけでジーンとします(笑)。私も新人の頃のニュートラルな気持ちを思い出しています。自分が浄化されているみたい。

これからスターになりそう?

もう私の心の中ではスターですよ(笑)。彼らだけでなくアンサンブルたちの努力も素晴らしく、何かが上手くいくとみんなが拍手を送るんです。本当に学校の先生か、もしくはお母さんになった気分。郁恵さんと二人で日々、稽古場でうるうるしています。

そして何といっても、魔法の数々がどう舞台上で立ち上がるのかが気になります。

演劇は“観客の想像力を使ってイリュージョンを起こす”という手法を取ることもできる芸術ですが、『呪いの子』はそういったタイプではなく、“本当の魔法”が舞台上に現れます。魔法を教えてくださるイギリスのスタッフの方が実際にマジシャンなんです。私たちも本当の魔法を何度も見せてもらいました。「今からこういうことをやるよ」という説明からではなく、実際に見て「今の何!?」というところから始まるんですよ(笑)。もちろん、やる方は覚えなきゃいけないのですが、稽古場ではキャスト同士も秘密。私もどうやっているのかわからない魔法もいっぱいあります。しかもそれを「今日は上手くいったね」ではなく、完璧を目指し訓練する。教えてくれるスタッフも完璧でないと許してくれない。何十回、何百回と稽古し、先生も諦めず根気よく教えてくれています。大変ですがそれが楽しいです。

ほかに、高橋さんが感じている舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の魅力は。

魅力はありすぎますが、場面転換の美しさは挙げたいですね。場面が変わったとわからないくらいなめらかに繋がっている見事さに加え、音楽と動きの美しさもある。しかもそれを全部キャストがやる面白さがあります。あとはやはり舞台ですので、生で、目の前で俳優が演じる緊張感、ドキドキは特別です。魔法にしても、映像だといくらでも効果を加えられますが、舞台では実際に同じ空間でその魔法が見られます。本当にハリー・ポッターの世界にお客様が入り込める。そんな空間になっています。ぜひ楽しみにいらしてください。

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(取材・文・撮影:平野祥恵)

TICKETチケット

チケットセディナでは、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』のチケットをお取り扱いしております。
ぜひこの機会にご観劇ください!

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